証券 口座開設のアピールポイント

証券会社とは、有価証券の売買や売買の仲介などを行う会社である。証券取引法に基づき証券業を営む会社であったが、今は、このような概念は存在しなくなったようです。

インターネットの活用は、それまでのオンライントレードが抱えていたいくつかの問題点を解決することにつながりました。
シュワブの「ストリートースマート」のような専用取引ソフトを利用したオンライントレードには、そのソフトをインストールしたパソコンを使わなければ取引できないという問題があります。
自宅と職場にそれぞれデスクトップーパソコンがあり、さらに携帯用のノートパソコンをもう一台利用しているというような人にとっては、それでは不便でしょう。
また、証券会社側からすれば、取引用ソフトの作成、CD-ROMやフロッピーディスクの箱詰め、郵送などには大きなコストがかかるうえ、新しい機能を追加したり、基本ソフトのバージョンーアップに対応したりするたびにソフトを改めて送り直さなければならないという難しさがあります。
そうした手間をかけないと競争上不利になるのも事実です。
実際、大手投資信託会社でディスカウントーブローカーとしても大手のフィデリティが開発した「フィデリティーオンラインーエクスプレス(FOX)」が、当時、シュワブの「ストリートースマート」にかなわなかったのは、「ウィンドウズ」時代になっても旧来のDOS対応のままだったからだといわれます。
一方、PCファイナンシャルーネットワークのような商用オンラインネットワークを利用したオンライントレードは、投資家が特定の商用オンラインに加入していないと利用できないという問題があります。
商用オンライン側か、提携する証券会社を選ぶので、有力な大手会社でなければサービス提供が難しいという限界もありました。
インターネットに接続するパソコンを使用している人達すべてが利用でき、証券会社側のサーバーに手を加えるだけで新しい機能の追加やサービスの改定がいつでも可能なインターネットーオンライントレードは、こうしたそれまでのオンライントレードの限界を打ち破る画期的なものだったといえるでしょう。
それにもかかわらず、インターネットを通じたオンライントレードは、すぐには爆発的な広がりをみせませんでした。
「ウェルスウェッブ」も「ネットインペスター」もあまり名の知られていない中小証券会社のサービスで、インターネット上以外ではほとんど広告宣伝を行わなかったというのが一つの理由です。
加えて、すでにオンライントレードを行っていた会社を含め、他の証券会社があまり強い関心を示さなかったことも、インターネットトレードの普及を妨げました。
当時、多くの証券会社は、インターネットを通じたデータのやり取りが十分に安全であるかどうか疑問を抱いていました。
いわゆるセキュリティに対する不安です。
また、インターネットがどんどん普及しつつあるとはいっても、その利用者は理科系の大学院生や大学教授など、決して証券会社にとっての有望な顧客とはいえない層に限られているという見方が根強くありました。
そもそも、証券会社にとって最も大切な顧客層である資産形成層と呼ばれる四十代、五十代の働き盛りの人達や、蓄積した金融資産を運用しながら悠々自適の生活を送っているさらに上の年代層の人達が、オンライントレードを利用するとは思えないという見解も広くみられたのです。
オンライントレードをめぐるこうした状況は、九六年に一変しました。
この年の三月、それまで商用オンラインネットワーク上でオンライントレードーサービスを行っていた中堅証券会社Eトレードーセキュリティーズが、インターネットを通じたサービスを開始するとともに、株式売買委託手数料を大幅に引き下げ、有力経済紙「ウォールーストリートージヤーナル」に全面広告を掲載して派手な宣伝を繰り広げ始めたのです。
Eトレードは、カリフォルニア州のパロアルトに本社を置く、支店を一つも持たない証券会社で、アメリカ、いや世界の証券取引の中心地であるニューヨークのウォール街ではまったく無名の存在でした。
ところが、この宣伝が功を奏し、わずか半年ほどのうちに、アメリカを代表するディスカウントーブローカーの一つと認められるようになったのです。
イギリスの「フイナンシヤルータイムズ」紙が、「Eトレードの離陸に他のブローカーは震え上がっている」という記事を掲載するなど、Eトレードの躍進ぶりは、アメリカ国外でも注目されるようになりました。
Eトレードの成功に驚いたライバル証券会社は、相次いでインターネットを使ったオンライントレードーサービスを開始し、九七年には、早くもインターネット経由の注文が、個人投資家の株式売買件数の一七%を占めるまでになりました。
それから二年余を経た二〇〇〇年、アメリカでインターネットを通じたオンライントレードを利用している人は七百万人に達しています。
オンライントレードーサービスを提供している証券会社、投信会社、銀行などは百五十社を超え、オンライン取引口座数は一千五百九十五万口座、インターネット経由の株式売買は、一日当たり百三十七万件といわれます(二〇〇〇年三月末現在)。
しかも、オンライントレードの拡大は、大方の予想を上回るスピードで進んでいます。
一九九七年、オンライントレードの急拡大ぶりをみたある調査会社は、当時、百五十万口座とされたオンライン取引口座数が、二〇〇一年には一千万口座に達するという予測を発表しました。
この予測値は、かなり大胆なものとして受け止められましたが、実際のオンライン取引口座数は、二年も早い九九年九月には一千万を突破してしまったのです。
アメリカでは最近まで、オンライントレードーサービスは、証券会社の中でもディスカウントーブローカーの専売特許のようにみなされてきました。
このディスカウントーブローカーとは、株式売買委託手数料が自由化されたことによって登場した、新しいタイプの証券会社です。
アメリカの株式市場では、七五年まで、株式の売買に関する手数料について、証券取引所が定める固定手数料制度がとられていました。
アメリカで最大かつ最古の証券取引所であるニューヨーク証券取引所の起源は、一七九二年に証券ブローカーが徴収する最低限の手数料を取り決め、一切の割引を行わないことを約束した「すずかけの木協定」に求められます。
固定手数料制度は、長い間、株式市場の最も基本的なルールの一つと考えられてきたのでした。
それだけに、ニューヨーク証券取引所の手数料制度が自由化された七五年五月一日の「メーデー」は、アメリカ株式市場の歴史上、最大の転機ともいうべきポイントとなりました。
この日以後、個人投資家向けに営業を行うアメリカの証券会社は、大きく二つのグループに分かれることになったのです。
その一つは、自前のアナリストやエコノミストによる高度な投資情報やセールスマンによる個々の投資家のニーズにマッチした投資アドバイスなどを売り物にしながら、それまでと大きく違わない手数料を徴収するブルーサービス証券会社と呼ばれるものです。
証券会社最大手のメリルリンチをはじめ、モルガンスタンレー・ディーンウィッター、ソロモンースミスバーニーなどが、このグループに属します。
これら全国規模の会社だけでなく、地方の有力な証券会社も少なくありません。
もう一つが、投資情報や投資アドバイスなどのサービスはそれほど充実させない代わりに手数料を大幅に割り引くディスカウントーブローカーです。

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